月ヶ瀬の「食」を楽しむ – 月ヶ瀬の名物

月ヶ瀬の名物

古の歴史が花開く

鎌倉時代、菅原道真ゆかりの梅の木が始まりと言われる月ヶ瀬の梅。
日本政府が最初に指定した名勝のひとつに数えられる月ヶ瀬梅林は、
V字谷の斜面に広がる梅林が特徴。
その風光明媚な景色は、多くの文人や墨客を魅了しました。

奈良時代から連綿と続く文化

奈良時代から大安寺などの荘園として、また、杣地として発展。
平安時代、江戸時代、明治時代と様々な勢力に影響を受けながらも、
「鳥梅」や「奈良晒」等、現代にも当時の技術が伝えられています。

月ヶ瀬の梅

1205年(鎌倉時代)に尾山の真福寺境内に天神社(菅原道真を祭神とする)をまつり、 道真ゆかりの梅の木を植えたのが月ヶ瀬の梅の始まりと伝えられています。

また1331年(南北朝時代)、笠置山から逃げてきた後醍醐天皇側近の女性が、 熟した梅の実で烏梅(うばい)のつくり方を村の人に教え、 そのためにたくさん梅の木を植えたのが月ヶ瀬梅林のもととなっているとも伝えられています。

様々な文献から、18世紀(江戸時代後半)に月ヶ瀬梅林が成立したのではないかと考えられています。 18世紀後半に梅の木がたくさん植えられ、烏梅をつくり売られたと思われます。 烏梅とは梅の実を煙でいぶしたもので、古くから薬や伝統的な紅花染めの媒染剤として珍重されてきました。

その当時、京の都で口紅や着物の需要の高まりに、烏梅は米よりも高値で売れていたため各地でこぞって製造されていましたが、 化学染料の普及に伴い需要は減少し、現在では烏梅を製造できる職人は全国でも唯一、月ヶ瀬だけとなりました。

当サイトで紹介している施設では、様々な梅の加工品をご用意しております。 「梅干し」「梅のしそ巻き」「梅チョコ」「梅シロップ」など、中には珍しい加工品もありますので、 月ヶ瀬の名物の梅を、ぜひご賞味ください。

奈良晒

奈良晒(ならさらし)は、奈良地方で生産されてきた高級麻織物。麻の生平(きびら)を晒して純白にしたもので、 主に武士の裃(かみしも。江戸時代の武士の礼服)や僧侶の法衣として用いられました。

年貢納入の取り立てが厳しい江戸時代に米の代替となる収入源として、月ヶ瀬でも副業として女性が奈良晒の生産に従事しました。

その質の良さから、江戸時代に各地の名産・名所を描いた『日本山海名物図会』(1754年刊行)では「麻の最上は南都なり。 近国よりその品数々出れども染めて色よく着て身にまとわず汗をはじく故に世に奈良晒とて重宝するなり」と評され、1900年にはパリ万博にも出品されました。

大和茶

大和茶(やまとちゃ)は、奈良県大和高原を中心とする地域で生産される日本茶のひとつ。
月ヶ瀬はその代表的な産地のひとつです。

良質の茶葉を育む気候風土に恵まれ、茶栽培の歴史は300年以上。 カマボコ型に刈り込まれた美しい茶畑の景観が広がっています。

製茶の各工程は、技術の発展により多くを機械に頼るようになっていますが、 月ヶ瀬には昔ながらの手摘み、手揉みによる製茶技術が息づいています。

月ヶ瀬の特産品

梅や奈良晒、大和茶の他にも、月ヶ瀬の特産品はまだまだあります。 古代米やお米、石打すいか、しいたけ、かきもち、草餅などなど。 季節を彩る、月ヶ瀬の旬な食材をお楽しみください。