可愛らしい梅の花に包まれる春の奈良市東部地域、月ヶ瀬梅渓。
梅の開花時期になると、多くの方が梅見に梅渓を訪れます。
見る人の心を惹きつける月ヶ瀬の梅は、
元来、紅花染めの発色剤となる「烏梅」を作るために植えられ、
かつて、烏梅はお米よりも高値で取引されるなど、
月ヶ瀬に住まう人々の生活を支えてきました。
中国で、漢方として知られる烏梅ですが、
日本では、口紅や頬紅、紅花染めの「紅」の色を
きれいに引き立てる効果があり、
染色家の方にとっても、無くてはならないものでした。
しかし、化学染料の普及により烏梅作りは衰退し、
現在、製造しているのは全国で月ヶ瀬の中西さん一軒のみとなりました。
「絶やすことはできひんなと思って――」
烏梅を作る曾祖父の背中を見て育ち、
小さい頃から簡単なお手伝いをしてきたという中西さん。
初夏を迎え、梅が実をつけると烏梅づくりが始まります。
伝統を守り、実直に烏梅を作り続けている中西さんの想いを、
実際に使われている道具や写真の展示を通して、ご紹介いたします。
——————————————————————-
奈良東部の春めぐり
月ヶ瀬の烏梅づくりを訪ねて 展
開催期間/3月23日(金)→5月27日(日)
9:00→17:00(年中無休)
場所/[鹿の舟]繭Mayu 展示室
入場無料
——————————————————————-
協賛
中西 喜久(国選定文化財保存技術「烏梅製造」保持者)
旧旅館 騎鶴楼(きかくろう)
企画
大樋 真彦
鹿の舟 繭 展示の情報については、下記のウェブサイトをご覧ください。
http://www.kuruminoki.co.jp/shikanofune/mayu/exhibition/information/